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一 級 建 築 士 事 務 所
石 山 美 法 建 築 設 計 ア ト リ エ
Yoshinori Ishiyama architecture design atelier
Detailed efforts

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道後の大改修
2016~2018
所在:愛媛県
本物件は、建築基準法上の道路に接していないため、公衆用通路を接道として扱う必要があり、その調整には多くの困難が伴いました。周辺の方々のご理解とご協力を得て、なんとか許可を取得することができましたが、建築計画においてはさらに条例による厳しい建築条件が課され、特に耐火規制への対応には頭を悩まされました。
改修設計の魅力は、既存の構造材(国産材)がもつ力強さや美しさを引き出し、記憶を塗り替えるように空間を再生できる点にあると考えています。しかし、本計画では準耐火構造が求められ、木部の現し仕上げが難しい状況でした(通常は不燃材による被覆が一般的です)。それでも、木構造の美しさと木目の柔らかさを空間に活かすため、当時改正された木造耐火構造の告示を活用し、外壁を耐火構造とすることで内部の内装制限を緩和し、木部の現しを実現しました。
木造2階建て住宅では異例の手法でしたが、空間美には欠かせない要素であり、お客様ともその価値を共有することができました。工事は築68年の木造住宅の全面改修と増築を行い、耐震助成金を活用してコスト削減を図りながら、狭小住宅でありながらも開放感のある心地よい空間を目指しました。改修でしか生み出せない味わいを引き出すことに注力しています。
長期にわたるプロジェクトとなりましたが、法的調整(行政対応)や近隣住民への理解など、多くの課題に向き合うことは貴重な経験でした。難工事に携わってくださった職人の皆さんの努力とご協力により完成を迎えた瞬間は、深い感慨を覚えたことを今も鮮明に思い出します。
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