一 級 建 築 士 事 務 所
石 山 美 法 建 築 設 計 ア ト リ エ
Yoshinori Ishiyama architecture design atelier
Detailed efforts




土地無償譲渡:愛南町(旧城辺・一本松町内)
所在:愛媛県南宇和郡愛南町
概要
土地は私の親族が所有しており現在は空家(1年前まで居住)となっています。生家であるため、新たな形として受け継いで頂ける方を募集しており、当事務所にて設計監理契約締結及びその他条件付(※詳しくはお問合せ下さい。)にて土地を無償譲渡致します。(個人間での譲渡となります。それに伴い贈与税が発生する可能性があります。名義変更等費用は契約者様にてご負担願います。既存建物に関しては設計監理契約締結後、工事着手までに、当事務所にて処分致します。)
敷地は約92坪となります、周辺の土地形状は盆地であり、水害等(津波も含め)の危険もなく穏やかな場所です。小、中学校、地域の中核病院(県立南宇和病院)は車で12分程度、大型スーパー、ドラッグストア、コンビニ等は15分~20分程度で車があれば生活に支障をきたすことはないと思います。山、海も近く自然豊かな場所です。
敷地周辺は畑(野菜、果樹)、田が広がりますが休耕地も増えてきております。隣家は300m圏内に数軒といった状況です。
この敷地で住宅を計画するには都市部とは違い(都市部における売建て物件のように、ある程度のスタンダードが定義しにくい環境であること)クライアントの意思が必要なので仮定計画が難しいのですが、私自身がこの場所で根付く事を想定した計画を参考提示させて頂きました。
計画案概要
敷地の周辺には休耕地や果樹畑が広がり、今後は少しずつ自然へと回帰していく様子が想像されます。
一方で、敷地は農道と町道の双方に接しており、休耕地から一定の距離が保たれているため、陽当たりがよく、風も心地よく抜ける環境です。
町道は西に向かって下っており、農道側溝への浄化槽排水には一定の制約(南側側溝への放流)があることから、出入りを南角から確保するのが最も合理的と判断しました。これは既存住宅と同様のアプローチ形態です。
共同体と個のあいだ
この住居の最大の意図は、「共同体」と「個」の関係性にあります。
家族(共同生活者)は、個の愛や忠誠心を受け止めてくれる最も自然な共同体である一方で、
SNSをはじめ大量の情報が錯綜する現代社会では、家庭の中においてさえも「遮断したい」「ひとりになりたい」と感じる瞬間があるのではないでしょうか。
つまり、家族という共同体のなかにも “引き籠る” ことを肯定できる空間(ソリチュード空間(心理的遮断))が必要であると考えました。しかし同時に、この「個の空間」が場の解釈や関係性次第では、共同体との間に大きな溝を生む危険性もはらんでいます。
そのため本計画では、行動や領域を整理しつつも、定義しすぎない余白のある空間を意識しました。
空間構成
エントランスでは、来訪者と共同体の動線を明確に分けながら、内部へリズムを与えています。
水回りや収納など、家族の行動を整理する諸室をまとめることで、空間の秩序と流れを生み出しました。
そして、住まいの中心には安定した採光が広がり、風が穏やかに行き交う美しい中央空間を設けています。
この中央空間へと人々が自然に引き寄せられていくよう、空間の連続性と奥行きを意識しました。
その先には、用途を限定しないフリースペースを配置。
ここは時に寝室となり、また時に自ら孤立するためのソリチュード空間ともなります。
この「個」と「共同体」を結ぶ往来のなかで、空間のあいだには ブリッジ(心理的な懸け橋)が存在します。
その架け橋を渡るように、家族は再び中央空間へと導かれ、穏やかなバランスを保ちながら日々の暮らしを営むのです。
技術的・環境的配慮
ハード面では、地域に根ざした伝統知を意識しました。
風や日照、周辺環境を丁寧に読み取りながら、最善の計画案を導き出すことを目指しています。
最後に
ここで示した内容は、あくまでひとつの試みです。
しかし、「閉じる」と「開く」、「個」と「共同体」の関係を再構築するこの計画が、
現代の住宅における新しい可能性を探る一歩となるではないでしょうか。
移住、定住、終の棲家、週末住居・・・・・
地方(自然豊かな田舎)での生活を検討ている方や実際に場所を探している方など、是非ご相談ください。
先ずはメールにてご連絡頂ければ丁寧な対応を心掛けます。
追記:2023.05から提携会社(仲介)においても、募集させて頂いております。募集内容につきまして一部異なっている所がある事をご了承下さい。